小児がんサバイバーの消えない不安
私は小学3年生の時に、右足付け根部に骨肉腫を発症。
当初の手術計画では、右足を切断する検討もされており、手術前の癌告知の際には、右足切断の説明と、切断の了承確認も経験した。
わずかに10歳の私にはとてつもなく重い内容の告知に、私は言葉を無くした。
私は、この世に産まれ、わずか10年目で身体の一部を切り捨てなくては生きていけない。
そう、冷静に理解できたのは、その日から一週間位後の、手術前のことだった。
私の両親は、主治医の先生に問いただした。
「そんな、むごいこと。うちの子供に伝えるのですか。」
私への癌告知をする前に、両親だけが先に主治医の先生から病状と手術内容について説明を受けていたのだ。
私は、「右足切断」とはどう言うことなのか、手術当日になっても、わからなかった。
「あるべきものが無くなる」
「足が無くなることは、どういうことなのか」
「僕は足が無くなったらどうすればよいのか」
いくら考えても、永遠に答えには辿り着けない様な気がした。
私には、そのことについて、じっくり考える時間は与えられなかった。
そして、もちろん答えにも行き着かなかった。
小児がんサバイバーにとって、自分が置かれた危機的な状況をじっくりと把握し、理解することで、今後の人生についての考えを整理する時間が不足している。
小児がんサバイバーにとっては、手術のような大きな処置や治療があっという間に進むため、手術後で、路頭に迷うのだ。
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