骨肉腫サバイバーの僕を安心させてくれたことば

骨肉腫サバイバーの僕を安心させてくれたことば

僕は失意のどん底にいた。
わずか10歳の僕には、ほぼ希望が絶たれた。
主治医の先生は、「手術が有効かどうかもわからない。手術室で、僕の右足付け根から腹部にかけて切開し、内部を確認し、病巣が広がっていれば、手術を断念します。」と僕と母親は、説明を受けた。
もうすでに、僕の腹部は、腫れ上がり、ズボンのファスナーチャックが閉まらない状態だった。
手術経験の豊富な主治医の先生でさえ、僕の骨肉腫の状態はとても酷く、手術の方針を検討するには、手遅れに近い状態だったようだ。
僕は、骨肉腫の進行の状態がとても酷くなっていることなど、主治医の先生がわかる範囲のすべての情報は知らされたが、その代わりに、とてつもない不安に教われた。
僕は、失意のどん底に押し付けられたような、そんな息苦しい感覚を感じていた。
そんな僕の姿を見た母親は、病院から家に帰宅するとき、僕に声を掛けてくれた。
「大丈夫よ、一緒に頑張ろうね。」
僕は心の内側からじわじわとあたたかいものを感じることができた。
「僕は、一人じゃないんだ。よかった。」そう、思えた。





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