癌(ガン)による身体的痛みと心の痛み
癌(ガン)による身体的痛みと心の痛みは、どちらが辛かったかということを問われたことがありました。 癌サバイバーとしての私の考えを述べさせていただきます。 タイトルの、「癌(ガン)による身体的痛みと心の痛み」については、私が癌(骨肉腫)を発症した当時、まだ10歳の子供であったことからだと考えますが、私にとって「心の痛み」の方が断然辛かったのです。 身体的には、下腹部の腫れ上がりがひどく、お腹が膨れてしまい、パンツのベルトが閉まらないくらいでしたし、足の間接部や、腹部にかけて、熱を持った状態であり多少の痛みも感じました。 しかし、当時の私は、まだ10歳であり、自らの身に起きた、「一大事」にショックを受けていた方が、より辛かったように考えるのです。 小児がんの患者さんがすべて、同じだとは思いませんが、人生経験の少ない子供のの時分に起きた、大病は、子供の心に、そして、小さな身体に大きなダメージを与えることには、違いありません。 現代医学の進歩から、身体的な痛みを和らげる薬は、できてきているものの、「心の痛み」については、薬で容易には解消されません。ましてや、子供の場合には、人生経験も少なく、入ってくる情報の理解を可能にするための知識も少ないことから、自らがこの「心の痛み」を解消させる術がないことが大きな要因となって、小児がん患者さんが、心を痛めているものと考えるのです。