【神秘】小児ガンサバイバーの僕は、ガン発症前から、ガン発症することになっていた

【神秘】小児ガンサバイバーの僕は、ガン発症前から、ガン発症することになっていた

私は骨肉腫を発症する前から、大病を患う事に気がついていた

冷たい光

追憶

ずいぶん昔のことだから、記憶が薄れてきたが、ある休日の朝、とても寒く、部屋の中にいても底冷えがするほどの寒い朝だった。その日は、休日モードのゆったりとした時間の流れが、僕の時間感覚を狂わせた。いつもは、目覚めの良い僕は、その日に限っては、なんだか体が重く、少し息苦しさを感じた。僕は幼少期から気管支喘息を患っていたが、ぜんそくの発作が起きている訳でもなく特に体調が悪いわけでもなかった。部屋の東側の壁に寄せて設置されたシングルベッドに毛布でくるまれた状態で、横になっていた。まるで、繭のような姿勢で天井を見上げていた。おもむろに、毛布から手だけを出して、視線を向けた天井に向かって、おもいっきり腕を伸ばして、その指先もまっすぐ一直線にした。ふと、視界に手のひらの手相が入ってきた。

鬱蒼とした木々の森に沈む夕日。
青い空を背景に、芝生の平原に立つ風力タービン。
海岸に続く尾根の上に太陽が輝いている。遠くでは車が道を走っている。

元々、手相なんかには興味がなかった。しかしその時ばかりは、そう言う訳にはいかなかった。【生命線が途中で切れている】手相の知識がさほどたけていなくても、生命線くらいはわかっていた。「生命線って、自分の人生を示しているのだっけ?」だけど、その線が切れているって、あまり、いい気分がしない。僕は、軽い気持ちで両親の部屋に入り、僕のその手相を見せた。「ほんとだ、切れとる」父親が図太い声で、少し僕を煽るように言った。僕は少し気が楽になった。だが、とても気になる。「何で、手相なんてあるんだろう」せっかくの、ゆったりとした休日なのに、僕の心のなかは、なんとも言い様のない胸騒ぎでいっぱいになった。

その年の夏、僕は身体に骨肉腫を発症した。



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